Ryo Sasagawa's Blog

笹川諒/「短歌人」所属/「西瓜」「ぱんたれい」同人

【寄稿】「詩客」2019年5月4日号

ウェブサイト「詩客」に、新作10首を寄稿しています。タイトルは「涅槃雪」です。「詩客」はよく読んでいたサイトだったので、参加できてとても嬉しいです。また、来月には上篠かけるさんとの相互評も掲載される予定です。そちらも合わせてぜひご覧ください…

ネプリ『MITASASA』第6号

ネットプリント『MITASASA』の第6号が出来ました。 短歌:三田三郎、多賀盛剛(各10首) 詩:笹川諒(1篇)です。 今回は多賀盛剛さんがゲストです! 【出力方法】 セブンイレブン →29898822 ローソン他コンビニ →45QEQLPQQ7 A3、白黒1枚、20円です。よろし…

【寄稿】『仙藥』vol.4(「てとりす」7首)

大橋弘さんが編集人の『仙藥』vol.4に、ゲストとして「てとりす」7首が掲載されています。お読みいただけますと幸いです。 ・『仙藥』とは…? 小島浩二(詩)、綾部宏子(俳句)、大橋弘(短歌)の3者による同人誌(『仙藥』のtwitterアカウントより)。 ・…

『MITASASA』第5号、相互評

三田三郎さん、ゲストの水沼朔太郎さんと発行したネットプリント『MITASASA』第5号の相互評を公開します。ネプリの配信は4月12日金曜日までとなっておりますので、まだの方はぜひお読みいただけますと幸いです! 駅前に成長痛を響かせて養生された塔がまた伸…

ネプリ『MITASASA』第5号

ネットプリント『MITASASA』の第5号が出来ました。 短歌:三田三郎、笹川諒(各7首)、水沼朔太郎(12首)です。 今回は水沼朔太郎さんがゲストです! 【出力方法】 セブンイレブン →66052608 ローソン他コンビニ →45QEQLPQQ7 A4、白黒、両面(短辺とじ)、4…

『短歌人』2019年4月号の、好きな歌10首(会員欄)

子と夫に呼ばれ続ける一生の吹雪の窓に咲く君子蘭(小原祥子) あを以外アリスのドレスを何色に塗るか悩みて過ごすひねもす(岡本はな) 食塩水ばかり作らせる教科書の文章題をココアに代える(柳橋真紀子) ことば言葉ことばの合間に山茶花がちらほら咲いて…

『MITASASA』第4号、相互評

三田三郎さん、ゲストの大橋弘さんと発行したネットプリント『MITASASA』第4号の相互評を公開します。ネプリの配信は3月21日木曜日までとなっておりますので、まだの方はぜひお読みいただけますと幸いです! みずぎわ、とあなたの声で川が呼ぶ/笹川諒 ゆっ…

ネプリ『MITASASA』第4号

ネットプリント『MITASASA』の第4号が出来ました。 短歌:三田三郎、大橋弘(各10首) 川柳:笹川諒(22句)です。 今回は大橋弘さんがゲストです! 【出力方法】 セブンイレブン →28786154 ローソン他コンビニ →45QEQLPQQ7 A4、白黒、両面(短辺とじ)、40…

『短歌人』2019年3月号の、好きな歌10首(会員欄)

ひとしきり記憶は荒み湯の中の手は翌日の雨の音する(高良俊礼) 去年今年朝にはパンとミルクティーこころのうちの短き祈り(冨樫由美子) 願わくは現役のまま死にたいと明るく語る暮れの中華屋(いばひでき) 見たことのないやや低い標識を見終える前にバス…

「手に花を持てば喝采」10首

手に花を持てば喝采 笹川諒 よくできたかなしみのよう雨止みを待つバス停で語るマティスは 音声が急に途切れる 耳鳴りの音はたまごっちが死ぬ音だ きっと覚えておけると思うアラベスクいつか壊れてゆく体ごと 星きれい あなたは知らないだろうけどあれなら神…

『MITASASA』第3号、相互評

三田三郎さん、ゲストの有村桔梗さんと発行したネットプリント『MITASASA』第3号、2月25日月曜日までの配信です。ぜひお読みいただけますと幸いです。すでに出力していただいた方は有難うございます! さて、恒例の相互評が準備できたので公開します。よろし…

ネプリ『MITASASA』第3号

短歌ネットプリント『MITASASA』の第3号が出来ました! 今回は有村桔梗さんをゲストにお迎えしています。 ・三田三郎「ワイドショーだよ人生は」 ・笹川諒「半分はせかいの涙」 ・有村桔梗「花の名は」 の各10首です。 お読みいただけますと幸いです。 【出…

『短歌人』2019年2月号の、好きな歌10首(会員欄)

秋深く明朝体のこころもてクラリネットの音色を聴けり(冨樫由美子) 道路工事の脇の花壇の花のうえ上着がのっているたたまれて(浪江まき子) 合格も赤点もない日々のため今夜はカレーライスをつくる(葉山健介) 皆が皆じぶんは悪くないという顔をならべた…

【寄稿】「夏と秋」マガジン第7号

秋月祐一さんとこうさき初夏さんが発行されているWebマガジン、「夏と秋」マガジンの第7号に連作8首を寄稿しました。秋月さんとこうさきさんから、ダブル連作評もいただいております!お読みいただけますと幸いです。 以下のリンクからご覧いただけます。楽…

大橋弘『used』

大橋弘さんの第二歌集『used』を読みました。普段短歌をやっていない人が読んでも面白く、短歌をガッツリやっている人にとっても新鮮な、素敵な歌集です。 イヤ。イヤですこんな逆さまの地上を叩く夏の陽射しは 夏の陽射しが暑い、イヤだ、と思っていたら、…

穂村弘『水中翼船炎上中』

穂村弘さんの四つ目の歌集となる『水中翼船炎上中』を、最近になってやっと読みました。以下、特に気になった歌とその感想です。 なんだろうときどきこれがやってくる互いの干支をたずねる時間 たとえば「どこの出身?」とか「血液型は?」といった質問であ…

冨樫由美子『草の栞』

「短歌人」の先輩、冨樫由美子さんの第一歌集『草の栞』を読みました。(探していたのですがなかなか手に入らず、短歌の友人から貸していただきました。) 同じかたちの若草色の扉(どあ)ならぶ白い廊下のゆめをまたみる 夢の情景の説明が、すでに絵画にな…

『MITASASA』第2号、相互評

三田三郎さん、ゲストの大橋凜太郎さんと発行したネットプリント『MITASASA』第2号ですが、配信残り二日の時点で前回の1号の出力数をすでに上回っており、たくさんの方にお読みいただいているようです。本当に有難うございます!さて、今回の連作の中から、…

ネプリ『MITASASA』第2号

短歌ネットプリント『MITASASA』の第2号が出来ました! 今回は新聞歌壇等で活躍中の、大橋凜太郎さんをゲストにお迎えしています。 ・笹川諒「青いコップ」 ・三田三郎「今日はもう終わり」 ・大橋凜太郎「いっさいの虚構」 の各10首です。お読みいただけま…

『短歌人』2019年1月号の、好きな歌10首(会員欄)

旅人の目をして生きてゐることをまぶかにかぶる帽子に隠す(冨樫由美子) 抒情とは震えのことに他ならず触れて良いものと悪いものとの(高良俊礼) 若い子に道を譲れと言われて泣いた長い氷河期の終わりに(国東杏蜜) 吉田君ときけば私は一番に牛のあの仔を…

『MITASASA』第1号、相互評

歌集『もうちょっと生きる』の三田三郎さんと発行したネットプリント『MITASASA』第1号、思っていたよりもはるかに多くの方々にお読みいただき、大変嬉しく思っております。配信も今週日曜日までとなりましたので、三田さんとの相互評をこのブログで公開しま…

ネプリ『MITASASA』第1号

歌集『もうちょっと生きる』の三田三郎さんと、ネットプリント『MITASASA』を作りました。 ・三田三郎「ワンダフルライフ」10首 ・笹川諒「天馬、あるいは」10首 を収録しています。お読みいただけますと幸いです。 セブンイレブン→予約番号G6HZ4J6Y(12月16…

12月1日の日記

今日は朝から天王寺で用事。駅の改札を出る瞬間に、石松佳さんの「花野へと、そして花野へ逃げてゆくきみは回転扉の向こう」(『毎日歌壇』2017年8月21日掲載)という短歌がふいに頭をよぎった。好きだなと思っていながら、歌意が取りきれない部分もあった歌…

『短歌人』2018年12月号の、好きな歌10首(会員欄)

秋という祈りの中に紫木蓮はぐれて一枝間の抜けた空(高良俊礼) 毎晩の眠りが日々の趣味となり安らぎゆくは死の練習か(いばひでき) ひまわりじゃなかったダンデライオンのたてがみしわがれはててもう、秋(鈴木杏龍) 甥っ子が庭でバットを振っている何か…

ネットプリントのお知らせ

水沼朔太郎さんのネットプリントに、「手に花を持てば喝采」10首が載っています。お読みいただけますと幸いです。以下詳細です。 ネプリ・トライアングル(シーズン3)第一回 セブンイレブン:83728225 ファミマやローソンなど:JMPN7A3TQ8 短歌連作十首×三…

<一首評>服部真里子さんの短歌より

雪柳てのひらに散るさみしさよ十の位から一借りてくる(服部真里子) 第二歌集『遠くの敵や硝子を』(書肆侃侃房、2018年)より。雪柳は、春に小さな白い花を咲かせるバラ科の植物である。また、下句の「十の位から一借りてくる」というのは、小学校で習った…

自選三十首

繁茂するイルミネーション 僕たちはカタカナの水草で寄り添う 寒くなることを確かさだと数え指一つ折り三叉路をゆく (サンサーラ)草笛として(サンサーラ)夜の砂漠を這う風として 奥歯から磨いて犬歯で現れる猫がケーキを食べた思い出 一時間九百円で働け…

『短歌人』2018年11月号の、好きな歌10首(会員欄)

つぎつぎと割れゆくせんたくばさみさすひのひざしれきしとは石と灰(鈴木杏龍) コーヒーの水面は揺れてその底にかがやく闇があり更に雨(高良俊礼) 三年間一度たりとも使わずに埃をかぶる穴あけパンチ(上村駿介) 角を曲がります、と心につぶやいて角曲が…

『短歌人』2018年10月号の、好きな歌10首(会員欄)

少年が光線(ひかり)の中をよぎり来てわれにものいう双腕を垂り(北岡晃) ひまわりの背丈こえたらあとはもう、ただ、もう、ひとりびとりの道途(鈴木杏龍) 出身を聞けば「火星」と真剣に答えるような男の寝顔(鈴掛真) 満ちてゆく今朝の木漏れ日葉脈を巡…

三田三郎『もうちょっと生きる』

昨日葉ね文庫でお会いした、三田三郎さんの第一歌集『もうちょっと生きる』を読んだ。 ・1日を2万で買ってくれるなら余生を売ってはいさようなら 結句の「はいさようなら」に驚く。余生を一日二万円で売って、そのお金を何かに使おうという訳ではなく、た…