Ryo Sasagawa's Blog

笹川諒/「短歌人」所属/「西瓜」「ぱんたれい」同人

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

穂村弘『水中翼船炎上中』

穂村弘さんの四つ目の歌集となる『水中翼船炎上中』を、最近になってやっと読みました。以下、特に気になった歌とその感想です。 なんだろうときどきこれがやってくる互いの干支をたずねる時間 たとえば「どこの出身?」とか「血液型は?」といった質問であ…

冨樫由美子『草の栞』

「短歌人」の先輩、冨樫由美子さんの第一歌集『草の栞』を読みました。(探していたのですがなかなか手に入らず、短歌の友人から貸していただきました。) 同じかたちの若草色の扉(どあ)ならぶ白い廊下のゆめをまたみる 夢の情景の説明が、すでに絵画にな…

『MITASASA』第2号、相互評

三田三郎さん、ゲストの大橋凜太郎さんと発行したネットプリント『MITASASA』第2号ですが、配信残り二日の時点で前回の1号の出力数をすでに上回っており、たくさんの方にお読みいただいているようです。本当に有難うございます!さて、今回の連作の中から、…

ネプリ『MITASASA』第2号

短歌ネットプリント『MITASASA』の第2号が出来ました! 今回は新聞歌壇等で活躍中の、大橋凜太郎さんをゲストにお迎えしています。 ・笹川諒「青いコップ」 ・三田三郎「今日はもう終わり」 ・大橋凜太郎「いっさいの虚構」 の各10首です。お読みいただけま…

『短歌人』2019年1月号の、好きな歌10首(会員欄)

旅人の目をして生きてゐることをまぶかにかぶる帽子に隠す(冨樫由美子) 抒情とは震えのことに他ならず触れて良いものと悪いものとの(高良俊礼) 若い子に道を譲れと言われて泣いた長い氷河期の終わりに(国東杏蜜) 吉田君ときけば私は一番に牛のあの仔を…