つぎつぎと割れゆくせんたくばさみさすひのひざしれきしとは石と灰(鈴木杏龍)
コーヒーの水面は揺れてその底にかがやく闇があり更に雨(高良俊礼)
三年間一度たりとも使わずに埃をかぶる穴あけパンチ(上村駿介)
角を曲がります、と心につぶやいて角曲がります虹が出てます(古賀大介)
癒さるることを拒否してゐるやうな樹のいつぽんが身のうちにあり(冨樫由美子)
ただの文字ただの機械の呟きの笹井botに泣かされている(真中北辰)
わが歌をひとごととして読むときに得体の知れぬ肌に触れたり(鈴木秋馬)
嫌だなぁと思う話がコーヒーゼリーになって三人を笑顔にさせた(佐々木紬)
部長がくれたハーゲンダッツハーゲンダッツ部長は祝福ができるひと(山本まとも)
ごめんなさい光源と角度を凝らして芸術点でなんとかしたい(北城椿貴)
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