Ryo Sasagawa's Blog

笹川諒/「短歌人」所属/「西瓜」「ぱんたれい」同人

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ネプリ『MITASASA』第11号

ネットプリント『MITASASA』の第11号、配信開始しました!(~12月30日まで) 今回のゲストは、詩人の櫻井周太さんです。川柳・短歌・詩の三つが楽しめる内容となっています! ☆川柳 三田三郎「優秀な雨」15句 ☆短歌 笹川諒「ミンストレル」10首 ☆詩 櫻井周…

『短歌人』2019年12月号より(会員1・2欄)

図書館へ徒歩でゆくとき雨傘もレインブーツも葡萄酒のいろ(冨樫由美子) 一粒の雨水ほどの面積でいいからずっと触れていたいよ(鈴掛真) 夢に出たスウェーデン人が言うのだが「君の人生は固まったまま」(いばひでき) 魂に栞を挟む箇所はなく午前のどこも…

小島熱子『ポストの影』

「短歌人」の小島熱子さんの第五歌集、『ポストの影』。砂子屋書房、2019年。 ゆずすだちかぼすひきつれ冬が来るついでにうつつの凸凹も連れ ゆず、すだち、かぼすといった柑橘類の果実の皮の凸凹から、現実に流れる時間の凸凹を感じ取る。どこか内省的な気…

紺野裕子『窓は閉めたままで』

「短歌人」の紺野裕子さんの第三歌集、『窓は閉めたままで』。短歌研究社、2017年。 出前用のバイクはふかく傾けり さびしい夜の碇とおもふ 昼間(もしくは震災前)は町を走り回っていたバイクが、大きく傾いた状態で停められている。福島の人々の抱える精神…

小島熱子『ぽんの不思議の』

「短歌人」の小島熱子さんの第四歌集、『ぽんの不思議の』。砂子屋書房、2015年。 透明な傘がわたくしをむき出しのままに庇護して 三月の雨 「むき出しのままに庇護」という一見矛盾したフレーズが印象的。雨を防ぐために傘をさすのだが、その傘は私を完全に…