Ryo Sasagawa's Blog

笹川諒/「短歌人」所属/「西瓜」「ぱんたれい」同人

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

瀬戸夏子『かわいい海とかわいくない海 end.』

最近、瀬戸夏子さんの短歌が気になっている。瀬戸さんの短歌の一般的なイメージを一言で言うなら、「とにかくわからない短歌」なのではないだろうか。僕自身も第一歌集『そのなかに心臓をつくって住みなさい』、第二歌集『かわいい海とかわいくない海 end.』…

『短歌人』2018年5月号の、好きな歌10首(会員欄)

飲食は娯楽にあらずひとの子も なまごみしるがくろきすじひく(鈴木杏龍) 水を盛る器としての手の窪みふたつ合わせて顔洗いおり(たかだ牛道) 朝が来て帰ってしまうのがいやでワイシャツのボタンを取った 全部(古賀たかえ) 有限の私の中にまたひとつ新規…

<一首評>初谷むいさんの短歌より

エスカレーター、えすかと略しどこまでも えすか、あなたの夜をおもうよ /初谷むい『花は泡、そこにいたって会いたいよ』 ちょっとした遊び心で、エスカレーターを「えすか」と略して呼ぶ。でもそれは二人だけにしか通じない特別な呼び方。長い「えすか」を…

佐藤弓生『眼鏡屋は夕ぐれのため』

佐藤弓生さんの歌集を読むのは、『モーヴ色のあめふる』以来、二冊目。色々ときっかけがあって(twitterでの佐藤さんのツイートに感銘を受けた、最近現代詩への興味が更に増した、等)、佐藤弓生ワールド再チャレンジ、といった感じです。付箋を貼りまくりな…

瀬戸夏子『そのなかに心臓をつくって住みなさい』

みずうみに出口入口、心臓はみえない目だからありがとう未来/瀬戸夏子 中学生の時、英語の授業で、好きな色を紙に英語で書いて、自分と好きな色が同じ人を探してペアになるというゲームがあった。僕は普通にwhiteと書いたのだけれど、whiteの人が全然見つか…