Ryo Sasagawa's Blog

笹川諒/「短歌人」所属/「西瓜」「ぱんたれい」同人

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『短歌人』2018年12月号の、好きな歌10首(会員欄)

秋という祈りの中に紫木蓮はぐれて一枝間の抜けた空(高良俊礼) 毎晩の眠りが日々の趣味となり安らぎゆくは死の練習か(いばひでき) ひまわりじゃなかったダンデライオンのたてがみしわがれはててもう、秋(鈴木杏龍) 甥っ子が庭でバットを振っている何か…

ネットプリントのお知らせ

水沼朔太郎さんのネットプリントに、「手に花を持てば喝采」10首が載っています。お読みいただけますと幸いです。以下詳細です。 ネプリ・トライアングル(シーズン3)第一回 セブンイレブン:83728225 ファミマやローソンなど:JMPN7A3TQ8 短歌連作十首×三…

<一首評>服部真里子さんの短歌より

雪柳てのひらに散るさみしさよ十の位から一借りてくる(服部真里子) 第二歌集『遠くの敵や硝子を』(書肆侃侃房、2018年)より。雪柳は、春に小さな白い花を咲かせるバラ科の植物である。また、下句の「十の位から一借りてくる」というのは、小学校で習った…

自選三十首

繁茂するイルミネーション 僕たちはカタカナの水草で寄り添う 寒くなることを確かさだと数え指一つ折り三叉路をゆく (サンサーラ)草笛として(サンサーラ)夜の砂漠を這う風として 奥歯から磨いて犬歯で現れる猫がケーキを食べた思い出 一時間九百円で働け…

『短歌人』2018年11月号の、好きな歌10首(会員欄)

つぎつぎと割れゆくせんたくばさみさすひのひざしれきしとは石と灰(鈴木杏龍) コーヒーの水面は揺れてその底にかがやく闇があり更に雨(高良俊礼) 三年間一度たりとも使わずに埃をかぶる穴あけパンチ(上村駿介) 角を曲がります、と心につぶやいて角曲が…