Ryo Sasagawa's Blog

笹川諒/「短歌人」所属/「西瓜」「ぱんたれい」同人

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

てのひらの重ねるための平たさの夜は兵士のように立つ樹々(大森静佳)

てのひらの重ねるための平たさの夜は兵士のように立つ樹々(大森静佳) 大森静佳さんの第一歌集、『てのひらを燃やす』(角川学芸出版、2013年)より。連作「硝子の駒」の中の一首。恋人同士が実際に手を重ねている場面をイメージした。お互いの手を見つめな…

ネプリ『MITASASA』増刊号

ネットプリント『MITASASA』増刊号(ニックネーム:MITAGASASA)、配信開始しました。 今回のMITASASAは読者投稿回ということで、Twitter上で2019年7月2日~7月9日の間に短歌募集(未発表新作一首)を行い、集まった41首から三田三郎、多賀盛剛、笹川諒の三…

詩「平均律」

平均律 笹川諒 夏のにおいがする方へ 心を広げてゆくと 青いマッチ箱があった あなたはそのマッチ箱に座って しかし 僕には決して見えない方の右手で 湖と詩とが互いに蝕み合わないように よく抑えている 「自己修復という語彙をひとしく交換して」 僕たちは…

短歌人さんを読む①

『短歌人』の歌の一首評を少しずつ、時間の許す範囲で書いていこうかな、と思います。気長にお付き合いいただけましたら……。 塩で炒めただけのキャベツをつまみつつ水仙みたいな夢想に浸る/千葉みずほ 「水仙」「夢想」とあると、ギリシャ神話のナルキッソ…