Ryo Sasagawa's Blog

笹川諒/「短歌人」所属/「西瓜」「ぱんたれい」同人

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

三田三郎『もうちょっと生きる』

昨日葉ね文庫でお会いした、三田三郎さんの第一歌集『もうちょっと生きる』を読んだ。 ・1日を2万で買ってくれるなら余生を売ってはいさようなら 結句の「はいさようなら」に驚く。余生を一日二万円で売って、そのお金を何かに使おうという訳ではなく、た…

川本浩美『起伏と遠景』

かつて「短歌人」に所属されていた川本浩美さんの遺歌集、『起伏と遠景』を読んだ。あとがきによると、現在僕がお世話になっている関西歌会の中心的なメンバーでもあったとのことである。歌集全体に独特の寂寥感が漂っていて、大阪の街や自分自身に関する事…

イェイツの詩集より

イェイツの詩集をぱらぱらと読んでいて、印象的な一連があったので備忘録として(日本語訳は自信ないですが笑)。それにしても、台風があまりに激しいので窓が割れないか心配。。 W.B.Yeatsの"Among School Children"より第8連(最終連)。 Labour is blosso…

『短歌人』2018年9月号の、好きな歌10首(会員欄)

だれもが舌をうまく収めてくちびるを閉じている はつなつのバス停(鈴木杏龍) とうめいな千の小鬼が駆け抜けた青田よこはれた今日の前触れ(岡本はな) 慰めは言わなくていい絵葉書のマトリョーシカになみだを描く(たかだ牛道) 偶然が重なっていく 低速で…