子と夫に呼ばれ続ける一生の吹雪の窓に咲く君子蘭(小原祥子)
あを以外アリスのドレスを何色に塗るか悩みて過ごすひねもす(岡本はな)
食塩水ばかり作らせる教科書の文章題をココアに代える(柳橋真紀子)
ことば言葉ことばの合間に山茶花がちらほら咲いている真夜中の(千葉みずほ)
うちテレビないんですよと言うときの感じを今は思い出せない(山川創)
旅をしようよものすごくにらむ猫の耳に西日が当たっている(国東杏蜜)
過ぎ去ったバス停横のベンチには死の入り口が腰掛けていた(鈴木秋馬)
総務部ができて半年 総の字を好きだと思う 代印を押す(山本まとも)
大きめの旅行鞄に文庫本一冊入れて列車でゆこう(田上暁子)
日常で作られているわたくしの体はどんな味であろうか(笹渕静香)
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