Ryo Sasagawa's Blog

笹川諒/「短歌人」所属/「西瓜」「ぱんたれい」同人

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『短歌人』2018年4月号の、好きな歌10首(会員欄)

病院の待合おほかた診察を終へてわれのみわが犬待てり(伊地知順一) 今朝の雨ほそく光りて花に降る君も私を通り過ぎたり(高良俊礼) にんげんがいない よ みちにめがね屋のナイロン製のはたのはためき(鈴木杏龍) 熱湯がシンクを鳴らし焼いてないのに焼き…

水について

先日、短歌関係の友人と話していて、「短歌によく登場させる言葉とかモチーフって何?」という話になった。僕が普段から短歌を作ることに対して、あまり能動的じゃない(紙やPCに向かって、さあ今から短歌を作るぞ、ということはほとんどない。残念ながら、…

萩原慎一郎『滑走路』

萩原慎一郎さんの『滑走路』。年始に一回読んだのだけれど、先日、新聞記事(朝日新聞2018年2月19日夕刊10頁) に、この歌集が取り上げられているのを読んで、改めて読み直した。新聞記事には作者の死因が自死であることがはっきりと書かれており(歌集には…

本多真弓『猫は踏まずに』

本多真弓さんの『猫は踏まずに』を読みました。まず、本の装丁がすごく素敵で、千種創一さんの『砂丘律』を読んだときも思ったけれど、これからは歌集の装丁にも書き手の個性がどんどん表現されるようになってくるのかなと思いました。表紙をめくると、遊び…

3月8日の日記

何てことのない一日だったけれど、頭の中でずっとジブリの主題歌が流れている。本当に何かが終わるときはこんな感じに終わるんじゃないかと、すこし不安になる。中学や高校の頃に一つ上の先輩が、一年というはるかな時間の、その分の高みにいた、その感じが…

石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』

石井僚一さんの『死ぬほど好きだから死なねーよ』を読みました。この歌集はまるでカメレオンのように、様々な角度から色々な修辞を駆使した歌を提示してくるのだけれど、歌集の一番最後の歌にもあるように、最終的には「らぶ」を志向した上での、紆余曲折の…