Ryo Sasagawa's Blog

笹川諒/「短歌人」所属/「ぱんたれい」同人

『水の聖歌隊』感想・書評などまとめ

 『水の聖歌隊』(書肆侃侃房)にいただいた感想・書評などをここにまとめています。

(2021年7月29日更新) 

 

○雑誌・新聞など

・内山晶太さん 「短歌」2021年4月号 「歌壇時評」

・生沼義朗さん 「現代短歌」2021年7月号 「第一歌集ノオト」

・大辻隆弘さん 「日本農業新聞」2021年3月6日 「おはよう名歌と名句」

・大辻隆弘さん 「レ・パピエ・シアンⅡ」2021年3月号 特集 関西の若手歌人を読む「詩的口語短歌―笹川諒『水の聖歌隊』―」

・大室ゆらぎさん 「短歌人」2021年7月号 「短歌人近刊歌集から」

・大森静佳さん 「NHK短歌」2021年5月号 「今読みたい愛の歌」

・大森静佳さん 「短歌人」2021年8月号 書評「「感情」以前を光らせる」

・岡方大輔さん 「かりん」2021年7月号 「歌集紹介」

・栗原寛さん 「朔日」2021年6月号 「告げざる尺度 笹川諒歌集『水の聖歌隊』を読む」

・齋藤芳生さん 「朝日新聞」2021年4月11日 「うたをよむ」

・嵯峨直樹さん 「短歌」2021年7月号 書評

・阪森郁代さん 「短歌」2021年6月号 特集 豊かなる水のしらべ「自然詠から震災詠まで」

佐藤弓生さん 「短歌人」2021年8月号 書評「ヴィジョンの確信へ」

・白川ユウコさん 「コスモス」2021年7月号 書評

・鈴掛真さん 「短歌人」2021年8月号 書評「水面がゆらぎ、歌は生まれる」

・瀬戸夏子さん 『はつなつみずうみ分光器刊行記念冊子 2021年読むべき歌集』

・竹中優子さん 「短歌」2021年8月号 「朝の歌、夜の歌」

・千葉聡さん 「短歌研究」2021年4月号 「人生処方歌集」

・土井礼一郎さん 「東京新聞」2021年3月13日夕刊 「土井礼一郎の短歌の小窓」

・土岐友浩さん 「西瓜」創刊号 書評「終末と永遠についてのいくつか」

・畑谷隆子さん 「好日」2021年5月号 「今月の一首」

・服部一行さん 「レ・パピエ・シアンⅡ」2021年3月号 特集 関西の若手歌人を読む 「現代版の箴言のような歌集~笹川諒『水の聖歌隊』を読む~」 

東直子さん 「西日本新聞」2021年4月13日 「東直子ムギマキ通信」

松本典子さん 「短歌」2021年6月号 特集 豊かなる水のしらべ「時代を移ろう雨」

美村里江さん 「週刊エコノミスト」2021年5月25日号 「読書日記」

・睦月都さん 「現代短歌新聞」2021年5月号 書評「イメージの結晶」

・宗形光さん 「銀座短歌」No.49 書評「ひかりを通して探求する<言葉とこころ>」

・盛田志保子さん 「未来」2021年6月号「今月の歌」

・山下泉さん 「短歌研究」2021年6月号「歌集歌書評・共選」

 

○ウェブ

・相地さん 

この水面、上から見るか?下から見るか?(水の聖歌隊/笹川 諒)|相地|note

・江戸雪さん 『水の聖歌隊』の温度: からくれない日録

・奥村知世さん 短歌と緑茶とお茶菓子と : 『水の聖歌隊』笹川諒

・川上幸子さん 

涅槃雪(the last snow) : ももさへづり*やまと編*cent chants d'une chouette (Yamato*Japon)

・久我田鶴子さん 

一首鑑賞 » Archives » 水槽の中を歩いているような日は匿名になり月になる

・小池正博さん 週刊「川柳時評」

・御殿山みなみさん 歌集を読む/笹川諒『水の聖歌隊』-ニラみじん切り学部

・近藤かすみさん 水の聖歌隊 笹川諒 書肆侃侃房 - 気まぐれ徒然かすみ草

・さいかち真さん 笹川諒『水の聖歌隊』 - さいかち亭雑記

・斎藤寛さん 笹川諒歌集『水の聖歌隊』 | mixiユーザー(id:20556102)の日記

・鈴木ジェロニモさん

笹川諒『水の聖歌隊』を読んで①、R-1グランプリ - 鈴木ジェロニモのなんちゃって文学 | stand.fm

 ※④まであります

鈴木智子さん 『水の聖歌隊』にまつわるエトセトラ|鈴木智子|note

・高木佳子さん 月のコラム » Archives » 既知の知 笹川諒歌集『水の聖歌隊』

・多賀盛剛さん 水の聖歌隊をよみながら|多賀盛剛|note

・竹村ヒカルさん「詩、だけで二時間」

https://www.youtube.com/watch?v=lgvYJOW2rEI

・千種創一さん 詩情の流し込み方(笹川諒歌集『水の聖歌隊』)|千種創一|note

・塚原康介さん 笹川諒『水の聖歌隊』|塚原康介|note

・恒成美代子さん 新鋭短歌『水の聖歌隊』笹川 諒 書肆侃侃房: 暦日夕焼け通信

・東郷雄二さん 第301回 笹川諒『水の聖歌隊』 – 橄欖追放

・とみいえひろこさん 笹川諒『水の聖歌隊』(書肆侃侃房) - 日記

・藤田千鶴さん 笹川諒第一歌集『水の聖歌隊』 - ほよほよさんぽみちNEW

・松村正直さん 笹川諒歌集『水の聖歌隊』: やさしい鮫日記

・丸田洋渡さん 

椅子に深く、この世に浅く腰かける 何かこぼれる感じがあって 笹川諒 | 帚

・三田三郎さん 「投手としての笹川さん」三田三郎 - Ryo Sasagawa's Blog

・光本博さん 笹川諒歌集「水の聖歌隊」①|みつもとまと|note

 ※⑩まであります

・山川創さん 感覚の話 笹川諒『水の聖歌隊』について 山川創|gekoの会|note

・吉岡生夫さん 書架新風

読書メーター 『水の聖歌隊』|感想・レビュー - 読書メーター

・MITASASA増刊号 歌集を読む!編6 『水の聖歌隊』(19名による一首評)

MITASASA増刊号(歌集を読む!編6).pdf - Google ドライブ

 

(歌集収録歌に以前いただいた評)

・岩尾淳子さん

一首鑑賞 » Archives » 硝子が森に還れないことさびしくてあなたの敬語の語尾がゆらぐよ

・御殿山みなみさん ひざがしら — 200911

・山下翔さん 1首鑑賞338/365 - 凡フライ日記

水の聖歌隊 (新鋭短歌シリーズ49)

水の聖歌隊 (新鋭短歌シリーズ49)

  • 作者:笹川 諒
  • 発売日: 2021/02/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

MITASASA増刊号(歌集を読む!編6)

MITASASA増刊号(歌集を読む!編6)の配信を開始しました!

今回はPDFでの公開も行っておりますので、お好きな方法でお読みいただけましたら幸いです。

笹川諒『水の聖歌隊』の、19名による一首評です。

 

【寄稿者のみなさま(五十音順・敬称略)】

秋月祐一、石松佳、大橋弘岡本拓也、川上幸子、小俵鱚太、御殿山みなみ、近藤かすみ、鈴木秋馬、鈴木智子、多賀盛剛、道券はな、とみいえひろこ、toron*、中田明子、三田三郎、満島せしん、光本博、八上桐子

 

 【PDFへのリンク】

MITASASA増刊号(歌集を読む!編6).pdf - Google ドライブ

 

【ネプリ出力方法】

セブンイレブン→43138649

ローソン他コンビニ→45QEQLPQQ7

A3白黒2枚40円です。3/25(木)まで。

 

【歌集の購入について】

全国大型書店・Amazon等で購入可能です。

 

水の聖歌隊 (新鋭短歌シリーズ49)

水の聖歌隊 (新鋭短歌シリーズ49)

  • 作者:笹川 諒
  • 発売日: 2021/02/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

橘夏生『セルロイドの夜』の、好きな歌10首

「短歌人」の橘夏生さんの第三歌集、『セルロイドの夜』。六花書林、2020年。

 

巴里のふゆ書割りめきて羞(やさ)しきを睫毛に雪をためしリセアン

 

朱(あけ)の甍に雲すぎゆきぬサンタ・マリア・デル・フィオーレに春を残して

 

雨の朝上海に死すことのほか希ひはあらず過ぎし日おぼろ

 

昼の湯に浮かびし思惟は離れがたしたとへば閔妃暗殺について

 

かがやける夕雲のはてわれはまだ原子力の顔をみたことがない

 

下京区天使突抜(てんしつきぬけ) 雪晴れのさんぽはクノップフの豹をおともに

 

春雷のとどろきに須臾みゆるべしわが飼ひ殺しの金閣銀閣

 

パプリカの種抜きをへてキッチンは洋書売り場のやうにさびしい

 

トルソーの不在の首のかがよひをおもふまで碧き海に出でたり

 

うつしよに在るかなしさよ木枯らしのなかにジャングル・ジムは毀れず

 

 

おびただしい数の固有名詞が登場する。藤原龍一郎さんの<世界とは時代とは数限りなき固有名詞の羅列にすぎぬ>という歌を思ったりした。「デカダンスとイノセント」をテーマに、時代や国境を軽々と飛び越えながら、紡がれてゆく歌の数々。

 

セルロイドの夜

セルロイドの夜

  • 作者:橘 夏生
  • 発売日: 2020/12/18
  • メディア: 単行本
 

橘夏生『大阪ジュリエット』の、好きな歌10首

「短歌人」の橘夏生さんの第二歌集、『大阪ジュリエット』。青磁社、2016年。

 

けふもまた「恋は水色」の音にのつてわらびもち売り来たる不可思議

 

二十三階のバルコニーにて川本くんを待つわたしは大阪ジュリエット

 

都こんぶ嚙みつつおもふ夜の底森茉莉にさへ子がありしこと

 

訪れるひとなき家に閉ざされてココアの粉の散るゆふべかな

 

きみの背にほくろの星座見つけたり世界が終はるならこんな夜

 

天国ならどこにでもある新世界の串カツ屋の列にふたり並んで

 

寡婦われはゆめに檸檬を売りながら雨ふりしきるアッサムをゆく

 

ウォッカを喇叭飲みしてデンデラ野ゆく老婆はたしかにわたくし

 

オートバイを真紅の薔薇で埋めたりしアンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ

 

肢もとにともるペディキュア 最下級貴族のやうに街を歩かう

 

 

※以前書いた歌集の感想→橘夏生『大阪ジュリエット』 - Ryo Sasagawa's Blog

 

大阪ジュリエット―歌集

大阪ジュリエット―歌集

 

橘夏生『天然の美』の、好きな歌10首

「短歌人」の橘夏生さんの第一歌集、『天然の美』。雁書館、1992年。

 

羅(うすもの)をまとへばつねに身になじむわたくしといふ存在はこれ

 

なだらかな雲の波なすアルペジオわがために来し夏ぞとおもふ

 

性愛なぞに誰が惹かれる湯の底でわがくるぶしがうすく光れば

 

悦楽の悦といふ語に兄といふ文字みつけたる夏のいもうと

 

わが身につけられしごといつしか馴染めり地下道のコンクリートの創(きず)

 

何事か崩壊しつつあるらしきターン繰り返す午後のスウィマー

 

かくて美貌の夏は来たれりまはだかの孔雀を愛でるタマラ・ド・レンピッカ

 

人形にも猫にも自らの名をつける麗はしき幽閉の王子は

 

わが裡に破船の絵ありときをりは腐蝕すすめる筆をくはふる

 

詩歌なべてわれの頬殴つ鋭さに欠けて今宵みるルドンの<眼>

 

 

歌集の前半は、主体像がはっきり立ち上がってくるような歌が多い。後半では、栞の井辻朱美さんの言葉を借りると、「固有名詞一個を石としてはめこんだ指輪のようにきらびやかな歌」が中心になってくる。

原稿募集のお知らせ(MITASASA増刊号・『水の聖歌隊』)

MITASASA増刊号(歌集を読む!編6)の原稿を募集いたします!

 

これまで五回にわたり、歌集を読む!編のネプリを発行してきましたが、六回目となる今回は、笹川諒第一歌集『水の聖歌隊』(書肆侃侃房、2021年)の一首評企画を行います。

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、最近読んだ歌集の話を誰かとするというのもなかなか難しい状況の中、歌集の感想を大勢で共有できる機会があれば……というのが前回までと同様、この企画の趣旨です。どなたでもお気軽にご投稿ください。

 

笹川諒『水の聖歌隊』は、全国大型書店・Amazon・出版社への注文等で購入可能です。

 

【MITASASA増刊号 歌集を読む!編6】

 

配信方法:

ネットプリントTwitter等でのPDF公開 (2021年3月中旬頃予定)

 

募集内容:

笹川諒『水の聖歌隊』から、好きな一首を選び、その歌についての200字程度の一首評(字数は、多少増減しても大丈夫です)。

※すみませんが、謝礼等はございません。ご了承ください。

 

締切:

①参加締切 2021/3/7

参加お申込みの際に、一首評をどの歌で書くかをお知らせください。希望の歌が重複した場合は、先着順にさせていただきます。

また、参加希望者があまりに多い場合は、募集を途中で締め切る場合もあります。

※参加したいけれど、どの歌で評を書くかをじっくり考えたいという方は、ひとまず参加のお申し込みをしていただき、歌の希望を3/7までに送っていただくという形でも大丈夫です。

 

②原稿締切 2021/3/14

 

参加申込み・原稿の送付:

Twitterの場合→MITASASAのアカウント(@ms_yogisha)宛にDM

メールの場合→ryo.ryo.ryo514☆gmail.com (☆を@に)

 

たくさんのご投稿、お待ちしております!

 

(以下、笹川諒『水の聖歌隊』より五首抜粋)

椅子に深く、この世に浅く腰かける 何かこぼれる感じがあって

手は遠さ 水にも蕊があるというあなたをひどく静かに呼んだ

しんとしたドアをこころに、その中に見知らぬ旗と少年を置く

硝子が森に還れないことさびしくてあなたの敬語の語尾がゆらぐよ

でも日々は相場を知らない露天商みたいな横顔をふと見せる

 

これまでのネプリのバックナンバーは、以下のリンクから閲覧できます。

 

第一回:大橋弘『既視感製造機械』

MITASASA増刊号(歌集を読む!編).pdf - Google ドライブ

第二回:三田三郎『もうちょっと生きる』

MITASASA増刊号(歌集を読む!編2).pdf - Google ドライブ

第三回:御殿山みなみ『モモモノローグ』

MITASASA増刊号(歌集を読む!編3).pdf - Google ドライブ

第四回:法橋ひらく『それはとても速くて永い』

MITASASA増刊号(歌集を読む!編4).pdf - Google ドライブ

第五回:秋月祐一『この巻尺ぜんぶ伸ばしてみようと深夜の路上に連れてかれてく』

MITASASA増刊号(歌集を読む!編5).pdf - Google ドライブ 

水の聖歌隊 (新鋭短歌シリーズ49)

水の聖歌隊 (新鋭短歌シリーズ49)

  • 作者:笹川 諒
  • 発売日: 2021/02/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

『水の聖歌隊』感想・書評などまとめ

 『水の聖歌隊』(書肆侃侃房)にいただいた感想・書評などをここにまとめています。

(2021年7月29日更新) 

 

○雑誌・新聞など

・内山晶太さん 「短歌」2021年4月号 「歌壇時評」

・生沼義朗さん 「現代短歌」2021年7月号 「第一歌集ノオト」

・大辻隆弘さん 「日本農業新聞」2021年3月6日 「おはよう名歌と名句」

・大辻隆弘さん 「レ・パピエ・シアンⅡ」2021年3月号 特集 関西の若手歌人を読む「詩的口語短歌―笹川諒『水の聖歌隊』―」

・大室ゆらぎさん 「短歌人」2021年7月号 「短歌人近刊歌集から」

・大森静佳さん 「NHK短歌」2021年5月号 「今読みたい愛の歌」

・大森静佳さん 「短歌人」2021年8月号 書評「「感情」以前を光らせる」

・岡方大輔さん 「かりん」2021年7月号 「歌集紹介」

・栗原寛さん 「朔日」2021年6月号 「告げざる尺度 笹川諒歌集『水の聖歌隊』を読む」

・齋藤芳生さん 「朝日新聞」2021年4月11日 「うたをよむ」

・嵯峨直樹さん 「短歌」2021年7月号 書評

・阪森郁代さん 「短歌」2021年6月号 特集 豊かなる水のしらべ「自然詠から震災詠まで」

佐藤弓生さん 「短歌人」2021年8月号 書評「ヴィジョンの確信へ」

・白川ユウコさん 「コスモス」2021年7月号 書評

・鈴掛真さん 「短歌人」2021年8月号 書評「水面がゆらぎ、歌は生まれる」

・瀬戸夏子さん 『はつなつみずうみ分光器刊行記念冊子 2021年読むべき歌集』

・竹中優子さん 「短歌」2021年8月号 「朝の歌、夜の歌」

・千葉聡さん 「短歌研究」2021年4月号 「人生処方歌集」

・土井礼一郎さん 「東京新聞」2021年3月13日夕刊 「土井礼一郎の短歌の小窓」

・土岐友浩さん 「西瓜」創刊号 書評「終末と永遠についてのいくつか」

・畑谷隆子さん 「好日」2021年5月号 「今月の一首」

・服部一行さん 「レ・パピエ・シアンⅡ」2021年3月号 特集 関西の若手歌人を読む 「現代版の箴言のような歌集~笹川諒『水の聖歌隊』を読む~」 

東直子さん 「西日本新聞」2021年4月13日 「東直子ムギマキ通信」

松本典子さん 「短歌」2021年6月号 特集 豊かなる水のしらべ「時代を移ろう雨」

美村里江さん 「週刊エコノミスト」2021年5月25日号 「読書日記」

・睦月都さん 「現代短歌新聞」2021年5月号 書評「イメージの結晶」

・宗形光さん 「銀座短歌」No.49 書評「ひかりを通して探求する<言葉とこころ>」

・盛田志保子さん 「未来」2021年6月号「今月の歌」

・山下泉さん 「短歌研究」2021年6月号「歌集歌書評・共選」

 

○ウェブ

・相地さん 

この水面、上から見るか?下から見るか?(水の聖歌隊/笹川 諒)|相地|note

・江戸雪さん 『水の聖歌隊』の温度: からくれない日録

・奥村知世さん 短歌と緑茶とお茶菓子と : 『水の聖歌隊』笹川諒

・川上幸子さん 

涅槃雪(the last snow) : ももさへづり*やまと編*cent chants d'une chouette (Yamato*Japon)

・久我田鶴子さん 

一首鑑賞 » Archives » 水槽の中を歩いているような日は匿名になり月になる

・小池正博さん 週刊「川柳時評」

・御殿山みなみさん 歌集を読む/笹川諒『水の聖歌隊』-ニラみじん切り学部

・近藤かすみさん 水の聖歌隊 笹川諒 書肆侃侃房 - 気まぐれ徒然かすみ草

・さいかち真さん 笹川諒『水の聖歌隊』 - さいかち亭雑記

・斎藤寛さん 笹川諒歌集『水の聖歌隊』 | mixiユーザー(id:20556102)の日記

・鈴木ジェロニモさん

笹川諒『水の聖歌隊』を読んで①、R-1グランプリ - 鈴木ジェロニモのなんちゃって文学 | stand.fm

 ※④まであります

鈴木智子さん 『水の聖歌隊』にまつわるエトセトラ|鈴木智子|note

・高木佳子さん 月のコラム » Archives » 既知の知 笹川諒歌集『水の聖歌隊』

・多賀盛剛さん 水の聖歌隊をよみながら|多賀盛剛|note

・竹村ヒカルさん「詩、だけで二時間」

https://www.youtube.com/watch?v=lgvYJOW2rEI

・千種創一さん 詩情の流し込み方(笹川諒歌集『水の聖歌隊』)|千種創一|note

・塚原康介さん 笹川諒『水の聖歌隊』|塚原康介|note

・恒成美代子さん 新鋭短歌『水の聖歌隊』笹川 諒 書肆侃侃房: 暦日夕焼け通信

・東郷雄二さん 第301回 笹川諒『水の聖歌隊』 – 橄欖追放

・とみいえひろこさん 笹川諒『水の聖歌隊』(書肆侃侃房) - 日記

・藤田千鶴さん 笹川諒第一歌集『水の聖歌隊』 - ほよほよさんぽみちNEW

・松村正直さん 笹川諒歌集『水の聖歌隊』: やさしい鮫日記

・丸田洋渡さん 

椅子に深く、この世に浅く腰かける 何かこぼれる感じがあって 笹川諒 | 帚

・三田三郎さん 「投手としての笹川さん」三田三郎 - Ryo Sasagawa's Blog

・光本博さん 笹川諒歌集「水の聖歌隊」①|みつもとまと|note

 ※⑩まであります

・山川創さん 感覚の話 笹川諒『水の聖歌隊』について 山川創|gekoの会|note

・吉岡生夫さん 書架新風

読書メーター 『水の聖歌隊』|感想・レビュー - 読書メーター

・MITASASA増刊号 歌集を読む!編6 『水の聖歌隊』(19名による一首評)

MITASASA増刊号(歌集を読む!編6).pdf - Google ドライブ

 

(歌集収録歌に以前いただいた評)

・岩尾淳子さん

一首鑑賞 » Archives » 硝子が森に還れないことさびしくてあなたの敬語の語尾がゆらぐよ

・御殿山みなみさん ひざがしら — 200911

・山下翔さん 1首鑑賞338/365 - 凡フライ日記

水の聖歌隊 (新鋭短歌シリーズ49)

水の聖歌隊 (新鋭短歌シリーズ49)

  • 作者:笹川 諒
  • 発売日: 2021/02/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

「投手としての笹川さん」三田三郎

   投手としての笹川さん   三田三郎

 

 笹川さんはまず、ピッチングの基本であるストレートが素晴らしい。そして、笹川さんのストレートは、打者の手元で微妙に動く今はやりの「ツーシーム」ではなく、ボールの縫い目にしっかりと指をかけて投げる、回転が美しく打者の手元で伸びる「フォーシーム」である。

 

  知恵の輪を解いているその指先に生まれては消えてゆく即興詩

  祈っても祈らなくても来る明日におそらく使い切る黄の付箋

 

 二首とも冒頭から言葉が直線的に末尾へと向かっている。言葉がシームレスに連なり、結末へ向かってテンションが静かに、だが確かに亢進してゆく。そして、その高まりがピークに達したころ、結句がそれまでのダイナミックな道程をがっしりと受け止めることで、ポエジーを脱時間的かつ脱空間的な一点において固定的に結晶させている。

 笹川さんはストレートを投げるとき、それでは暴投になってしまうのではないかと心配になるほど、思い切りよく振りかぶっているように見える。だが、そんなこちらの心配をよそに、ボールはあたかも目的地しか眼中にないかのように、まっしぐらにキャッチャーミットへと向かい、見事に打者の外角低めいっぱいに決まる。打者は一本取られたとばかりに、空を仰ぐことしかできない。

 

    ※

 

 笹川さんは数種類の変化球を投げるが、その中で最も精度が高いのはカーブである。一口にカーブと言ってもいくつかのタイプがあるが、笹川さんが投げるのは縦に大きく割れる「ドロップ」のように思える。

 

  日本酒の化粧水ふと手に取ってこれは雌雄を知らない白だ

  雨の日のプロムナードは雨に濡れあなたはずっとずっとよその子

 

 こうした歌は、上の句と下の句の間に大きな転回点を持ち、そこに読者は驚き感嘆する。だが、決して歌の途中に断絶があるわけではなく、むしろ滑らかな繋がりが強固に保たれている。そして、上の句から下の句を導き出すことなど到底できないように思える一方で、自律性を獲得した上の句が明確な意志に基づいて下の句へ辿りついたかのようにも思え、そうした不思議なアンビバレンスが歌の魅力となっている。

 笹川さんのカーブは、ストレートよりもやや大人しいモーションで投げられているように見える。そして、ゆったりと放たれたボールは、束の間高めへ逸れたかのように思わせながら、ある一点で突如として大きく変化をはじめ、打者が慌ててバットを構え直した頃には、既にストライクゾーンへと突き刺さっている。これには打者も手が出ず、呆気にとられるしかないだろう。

 

    ※

 

 笹川さんは他にも、キレのあるシュートを投げる。そのシュートは途中までストレートの軌道をなぞりながら、打者がバットを出そうとするや否や、その手元に鋭く食い込んでくる。

 

  特急の座席でよく行く美術館のにおいがふいにして 雨は鐘

  ああきみがパンをたくさん買ってきた夜はきんいろの猫だった

 

 二首とも結末の直前までスムーズに言葉が流れてゆくが、最後の最後に思わぬ急旋回を見せる。これらの歌には、言葉が結末へと収斂してゆくことに対する抵抗感が表れているように思われる。笹川さんは、結末において言葉が鮮やかに収斂するような歌を作る一方で、言葉が収斂しようとする寸前に力業でそれを回避するような歌をも作る。そのようにして別種の力学を引き入れることで、歌集という世界に緊張感をもたらしている。

 笹川さんはシュートを投げるとき、フォームこそゆったりとしているものの、指に込められた力は他の球種よりも強いように窺われる。そうして投げられたシュートに、打者は戦慄すること間違いない。笹川さんのシュートは、予見されることへの忌避感を色濃く滲ませながら、打者に鋭く切り込んでくるからである。それを単なるストレートだと思って打ちにいった打者は、ただの凡打で済めばマシな方で、大抵はバットをへし折られることになるだろう。

 

              ※

 

 笹川さんが投げる球種はまだ他にもあるが、紙幅の都合もあるのでここからは簡潔な紹介にとどめたい。

 

  「いつかおまえと生死を賭けて戦う」と言ってたクラスメイトがいたな

 

 文字通りに読めば不穏に感じられる発言が上の句で示されるが、一首全体を通過してみれば、いつの間にかノスタルジックなユーモアに覆われた場所へと到着している。これは緩急の効いたチェンジアップである。最初はストレートのような表情をしながら、最後はふわっと優しく落ちてキャッチャーミットへと収まる。

 

 次はどうだろうか。

 

  パイナップルジュース(ひかりのような噓)きみは何回でも眠るから

 

 言葉の意味が確定しないまま、オーバーラップするように次の言葉が登場してくる。歌は最後まで意味の不確定を心地良く漂う。これはナックルに違いない。ふわふわと楽しげに揺れながら、一方で打者に芯で捉えられることを毅然と拒絶する。

 

 最後に、これはどうだろうか。

 

  一冊の詩集のような映画があって話すとき僕はマッチ箱が見えている

 

 なんと第二句が二つある。破調だと言って片付けるのは簡単だが、そんなことは断じて許さずに正面から向き合うことを強いるような、異様な迫力に満ちた相貌をしている。これは何という球種だろうか。二段階で曲がるカーブのようにも見えるかもしれないが、そんな単純なものではないだろう。これは名前のない球種、まだ他の誰も投げたことのない球種で、おそらくは笹川さんも実戦ではこの一度しか投げていないように思える。

 

    ※

 

 いかがだっただろうか。実のところ、まだ笹川さんの球種を全て網羅的に紹介できたわけではない。ただ、笹川さんが多くの球種を自在に操る名投手であることはもう十分に納得してもらえたことと思う。それに対する打者としては、笹川さんの投げるボールを、じっくりと見送ってその球筋を味わうもよし、バットを振って勝負するもよし、様々に楽しむことができるだろう。

 笹川さんの投球のバリエーションは現時点でも既に恐ろしいほど多彩だが、もっと恐ろしいのは、最後に挙げた球種に示唆されるように、まだまだ新たな球種を会得しようと試行錯誤していることである。笹川さんは今後も貪欲に投球の幅を広げてゆくに違いない。

 

(MITASASA第16号 2021年2月12日発行 三田三郎)